M&A支援機関登録制度とは?中小M&Aの相談先の選び方【非公式】
更新日:2026-07-26
本アプリ「中小M&A資格試験 対策」は運営団体非公式の対策アプリです。本記事は公式の過去問ではなく、中小企業庁が公表する「中小M&Aガイドライン」「中小PMIガイドライン」「専門人材スキルマップ」等に基づき作成した非公式の解説であり、教育・学習目的で提供しています。試験の実施団体とは一切関係ありません。
中小M&Aを検討し始めた段階では、まずどこに相談すればよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。本記事は、中小M&Aの支援機関にはどんな種類があるか、仲介者とFAの違い、M&A支援機関登録制度の位置づけ、相談先を選ぶときの判断軸を解説します。
実際にどの支援機関に相談すべきかは、個社の状況によって異なります。個別の相談先の選定については、必ず複数の支援機関の話を聞いた上でご判断ください。
なぜ相談先選びが重要か
中小M&Aガイドライン第3版は、多くの中小企業はM&Aについての専門知識を有しないため、仮に中小M&Aに関心があるとしても、具体的にどのように行動すれば良いか分からず、結局そのまま中小M&Aを断念してしまうことがあるとしています。中小M&Aについての専門知識を有する支援機関は、そのような中小企業の意思決定やその後の諸手続の段階において適正なサポートを行うことにより、我が国における中小M&Aの促進に資する役割が期待されるとされています。
支援機関にはそれぞれ異なる役割が期待されているとされ、中小M&A支援は、各支援機関が自らの特性や中小企業との関係性等を踏まえた適切な役割分担を認識した上で実施することが重要とされています。どの支援機関に相談するかによって受けられる支援の内容が異なるため、自社の状況に合った相談先を選ぶことが重要になります。
支援機関にはどんな種類があるか
中小M&Aガイドライン第3版は、支援機関について、中小M&Aを支援する機関であり、具体的にはM&A専門業者、金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマーのほか、事業承継・引継ぎ支援センター等の公的機関等をいうとしています。
M&A専門業者は、譲り渡し側・譲り受け側に対するマッチング支援や、中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援を専門に行う民間業者であり、主に仲介者・FA(フィナンシャル・アドバイザー)に分類されるとされています。金融機関には、与信(融資)業務等に加え、融資を通じて把握した中小企業の経営状況やネットワークを生かし、主に顧客に対してマッチング支援等を行う者もいるとされています。商工団体(商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、商店街振興組合連合会等)は、中小企業の経営全般に関する地域の身近な相談窓口として中小企業支援を行っているとされています。士業等専門家とは、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等の資格を有する専門家をいうとされています。
仲介者とFAの違い(契約の相手が誰か)
中小M&Aガイドライン第3版は、仲介者について、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいうとしています。仲介契約とは、仲介者が譲り渡し側・譲り受け側双方との間で結ぶ契約をいい、これに基づく業務を仲介業務というとされています。
これに対しFA(フィナンシャル・アドバイザー)は、譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいうとされています。FA契約とは、FAが譲り渡し側・譲り受け側の一方との間で結ぶ契約をいい、これに基づく業務をFA業務というとされています。契約の相手が両当事者か一方当事者かという点が、仲介者とFAの基本的な違いです。
士業等専門家とセカンド・オピニオンの活用
士業等専門家とは、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等の資格を有する専門家をいうとされ、これら士業等専門家の中には本来業務のほか、マッチング支援等を行う者もいるとされています。
中小M&Aガイドライン第3版は、セカンド・オピニオン(他の支援機関への相談)について、中小M&Aを行おうとしている者が支援機関と契約を締結する際や、支援機関から受けた助言の内容の妥当性を検証したい場合等に求める他の支援機関による意見や助言をいうとしています。元の支援機関と同様の業務を提供する者による意見や助言を「狭義のセカンド・オピニオン」、元の支援機関と異なる業務を提供する者、特に士業等専門家や事業承継・引継ぎ支援センターによる意見や助言を「広義のセカンド・オピニオン」といい、これらはいずれもセカンド・オピニオンに含まれるとされています。
事業承継・引継ぎ支援センターという選択肢
中小M&Aガイドライン第3版は、事業承継・引継ぎ支援センターについて、中小M&A及び従業員承継や親族内承継を含む中小企業の事業承継に関する相談に幅広く対応する国が設置する公的相談窓口であるとしています。令和3年4月、主に事業引継ぎを支援していた「事業引継ぎ支援センター」と主に親族内承継を支援していた「事業承継ネットワーク」の機能を統合し、事業承継支援のワンストップ支援を行う組織へと発展的に改組されたとされています。
M&A支援機関登録制度の位置づけ
中小M&Aガイドライン第3版は、M&A支援機関登録制度について、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するために令和3年8月に創設された国の制度であり、本ガイドラインの遵守を宣言する等した仲介業務又はFA業務を行う者が登録を受けることができるとしています。
登録制度に登録していなくとも、仲介業務やFA業務を行うことは可能であるとされています。登録制度等を通じ、仲介業務やFA業務を行う支援機関に対し、本ガイドラインの普及と理解を促しているとされています。
相談先を選ぶときの判断軸
中小M&Aガイドライン第3版は、円滑に中小M&Aが進むケースにおいては、支援機関同士が相互に連携しあっている例が多いとしています。自社が相談する支援機関が、必要に応じて他の支援機関と連携できる体制にあるかどうかは、判断軸の一つになります。
特に、仲介者・FAや士業等専門家は、中小M&Aの手続の各段階で、重要な判断を依頼者(顧客)に求める場合には、十分に説明して納得を得た上で進める必要があるとされています。説明を受けて十分に納得できるかどうかも、相談先を見極める手がかりになります。また、助言の内容に納得できない場合や、その妥当性を検証したい場合には、セカンド・オピニオン(他の支援機関への相談)を求めることも一つの選択肢とされています。
よくある誤解
「M&A支援機関登録制度に登録していなければ仲介業務やFA業務を行えない」という理解は正確ではありません。登録制度に登録していなくとも、仲介業務やFA業務を行うことは可能であるとされています。
「仲介者とFAは同じもの」という理解も正確ではありません。仲介者は譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を結ぶのに対し、FAは一方とのみ契約を結ぶという違いがあります。
「最初に相談した支援機関の助言には、最後まで従わなければならない」という理解も必ずしも正確ではありません。中小M&Aガイドライン第3版は、支援機関から受けた助言の内容の妥当性を検証したい場合等に、セカンド・オピニオン(他の支援機関への相談)を求めることができるとしています。
まとめ
中小M&Aには、M&A専門業者(仲介者・FA)、金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマー、事業承継・引継ぎ支援センター等、複数の支援機関が関わり得るとされています。それぞれ異なる役割が期待されており、自社の状況に合った相談先を選ぶことが重要です。
仲介者とFAは契約の相手が両当事者か一方当事者かという点で異なり、M&A支援機関登録制度への登録は任意とされています。助言に納得できない場合には、セカンド・オピニオンを求めることも一つの選択肢です。デュー・ディリジェンス(DD)やPMI(統合プロセス)など、支援機関に相談しながら進める個別の実務については、当サイトの他の解説記事もあわせてご参照ください。
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よくある質問
最初にどの支援機関に相談すればよいですか?
支援機関にはそれぞれ異なる役割が期待されているとされています。総合的な支援を求めるならM&A専門業者(仲介者・FA)、身近な相談窓口としては商工団体、専門的な知見については士業等専門家、公的な相談窓口としては事業承継・引継ぎ支援センターが選択肢となります。
仲介者とFA、どちらに依頼すればよいですか?
仲介者は譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を結ぶのに対し、FAは一方とのみ契約を結ぶという違いがあります。どちらが適しているかは案件の状況によって異なるため、複数の支援機関から話を聞いた上でご判断ください。
M&A支援機関登録制度に登録している支援機関でなければ相談できませんか?
いいえ。登録制度に登録していなくとも、仲介業務やFA業務を行うことは可能であるとされています。
相談先の助言に納得できない場合はどうすればよいですか?
中小M&Aガイドライン第3版は、支援機関から受けた助言の内容の妥当性を検証したい場合等に、セカンド・オピニオン(他の支援機関への相談)を求めることができるとしています。
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- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p16-17(支援機関の定義・M&A専門業者・金融機関・商工団体・士業等専門家))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p17-18(仲介者・仲介契約・FA・FA契約の定義))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p19(M&A支援機関登録制度・セカンド・オピニオン))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p25(事業承継・引継ぎ支援センターの定義))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p78(依頼者の利益の最大化・それぞれの役割に応じた適切な支援・支援機関間の連携))