公認会計士による中小M&A支援 実務徹底解説(財務書類作成支援・プレM&A支援)【非公式】
更新日:2026-09-12
本アプリ「中小M&A資格試験 対策」は運営団体非公式の対策アプリです。本記事は公式の過去問ではなく、中小企業庁が公表する「中小M&Aガイドライン」「中小PMIガイドライン」「専門人材スキルマップ」等に基づき作成した非公式の解説であり、教育・学習目的で提供しています。試験の実施団体とは一切関係ありません。
中小M&Aには、公認会計士のほか税理士や中小企業診断士、弁護士等の士業等専門家が関わります。本記事は、そのうち公認会計士がどの場面で何を担うのかを、中小M&Aガイドライン第3版の記載に基づいて非公式に解説します。
当サイトは中小M&A資格試験の対策アプリの提供者であり、公認会計士事務所や監査法人そのものではありません。実際の依頼にあたっては、必ず公認会計士等の専門家に個別にご相談ください。
公認会計士とはどのような支援機関か
士業等専門家は、公認会計士のほかにも税理士、中小企業診断士、弁護士等、中小M&Aに関わる場面が多い専門家を指すとされています。中小M&Aガイドライン第3版は、これらの専門家について、それぞれが得意とする領域と負っている責任が異なる以上、各自が自分の持ち場でしっかりと役割を果たしながら、場面に応じて専門家同士が手を組んで進めていくことが期待されるとしています(記載順は五十音順とされています)。
「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」(公認会計士法第1条)とされており、この使命を踏まえ、中小M&Aにおいて譲り渡し側を支える立場では、事業計画やバリュエーションの土台となる財務情報の信頼性を高めること、監査や上場支援の経験を生かして社内の体制づくりを助言すること、譲渡の枠組みを検討・立案することなどが役割として挙げられています。税理士登録もしており、顧問業務を同時に提供して日頃から財務書類の作成を支援している場合には、経営者にとって経営全般に関する身近な相談相手としての役割も期待されるとされています。依頼があれば、財務デュー・ディリジェンス(財務DD)やバリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)を業務として提供するともされています。
支援内容(1):適正な財務書類の作成支援
中小M&Aの過程では、譲り渡し側から示される財務書類が、一般に公正妥当と認められる会計基準や、中小企業の会計に関する指針・基本要領等に沿って作られているかどうかが重要な意味を持ちます。中小M&Aガイドライン第3版は、こうした基準に沿っていない場合には、譲り受け側から見て信頼性に乏しい財務書類と受け止められ、譲渡額を含む取引条件の交渉が不利になったり、話がまとまらなかったりするおそれがあるとし、クロージングの場面で統合作業に支障が生じることもあるとしています。公認会計士には、こうした事態を避けるため、あらかじめ適正な財務書類の作成を後押しすることが望まれるとされています。
支援内容(2):プレM&A支援 ― コーポレート・ガバナンスの構築支援
中小企業の中には、株主名簿や株主総会・取締役会の議事録といった、会社法上整えておくべき書類が十分に整理されていない例が見られます。中小M&Aガイドライン第3版は、こうした点がきちんと整えられ社内の統治体制が築かれていることが、譲り受け側にとって取引を円滑に進められるかどうかを見極める材料になり得るとし、公認会計士による整備支援が望まれるとしています。
支援内容(3):プレM&A支援 ― 株式・事業用資産等の整理・集約の支援
中小M&Aの実務では、株式が本来の名義と異なる者に帰属したままになっている、いわゆる名義株の存在や、連絡が取れない株主がいるといった問題が生じることが少なくありません。加えて、退職金の引当が帳簿に反映されていない、残業代の未払いが解消されていないなど、決算書に表れない負債(簿外債務)が見つかるケースも珍しくないとされています。こうした事情がある場合には、必要に応じて弁護士等の専門家とも連携しながら、あらかじめ整理を済ませておくことが望ましいとされています。
また、役員が会社所有の社宅に居住している、役員への貸付金がある、役員を被保険者とする保険契約があるなど、経営者個人と会社との間で行われている取引や、事業に使う資産の所有関係についても、会社のものと経営者個人のものとをはっきり区別し、切り分けを進めることが求められる場面があるとされています。
支援内容(4):プレM&A支援 ― 適切な内部統制の構築・運営の支援
社内のさまざまな部署の間で必要な情報がきちんと共有される仕組みが整っていることは、正確な決算書類を作り上げるための土台になるとされ、公認会計士がこの面での支援を行うことが望まれるとされています。具体例として、営業部門と経理部門との間で取引先の信用状況に関する情報を共有すること、倉庫部門と仕入・販売部門との間で在庫の状況に関する情報を共有することなどを通じて、必要な社内体制を整えるための助言が考えられるとされています。
まとめ
公認会計士は、財務書類の信頼性を高める助言から、コーポレート・ガバナンスの構築、株式・資産関係の整理、内部統制の整備まで、中小M&Aの土台づくりを幅広く支えるとされています。特に株式・資産関係の整理は、弁護士等とも連携しながら早めに着手しておくことが望ましいとされています。
当サイトの対策アプリでは、こうした支援機関に関する演習問題も、解説付きで出題しています。
本テーマの理解度は、実行フェーズ(企業価値評価・DD等)の演習問題を解くで確認できます。
関連記事
よくある質問
公認会計士は中小M&Aでどのような役割を担いますか?
財務情報の信頼性向上への助言、社内体制構築の支援、譲渡スキームの検討、財務デュー・ディリジェンスやバリュエーションの提供など、幅広い役割を担うとされています。
名義株や簿外債務がある場合はどうすればよいですか?
必要に応じて弁護士等の専門家とも連携しながら、中小M&Aに先立って整理しておくことが望ましいとされています。
内部統制の整備はなぜ財務書類の作成に関わるのですか?
社内の関係部署間で必要な情報が適切に共有される体制が、正確な決算書類を作成するための基盤になるとされているためです。
「中小M&A資格試験 対策」で学習を始める
禁忌肢モードを含む603問の演習問題を収録。買い切り2,980円(税込・購入から730日間利用可)。
問題を解いて対策するアプリの内容を見る料金と購入出典
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p111(士業等専門家の総論・公認会計士による中小M&A支援の特色))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p111-112(適正な財務書類の作成支援))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p112(プレM&A支援:コーポレート・ガバナンスの構築支援・株式等の整理集約の支援・内部統制の構築運営の支援))