実行フェーズ(企業価値評価・DD・基本合意・最終契約・クロージング)の演習問題
企業価値評価(バリュエーション)、デュー・ディリジェンス(DD)、基本合意、最終契約、クロージングに関する演習問題です。
無料公開問題16問を掲載しています。
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問1.中小M&Aガイドライン第3版によれば、株式譲渡における株主である経営者個人の税金の取扱いとして、正しいものはどれか。
- 正解:譲渡益に対する分離課税(税率20.315%)が適用され、それにより課税関係が終了する
- 譲渡対価がいったん法人に帰属し、法人税等の負担を経たうえで、配当等の形で株主個人へ還流する
- 他の所得と合算した累進税率による総合課税の対象となり、確定申告によって精算する必要がある
- 譲渡益の多寡や保有期間の長短にかかわらず、常に申告不要の非課税所得として一律に扱われる
中小M&Aガイドライン第3版p118は、株式譲渡の場合、株主である経営者個人の税金は譲渡益に対する分離課税(税率20.315%)で課税関係が終了すると定める。「譲渡対価がいったん法人に帰属し、法人税等の負担を経たうえで、配当等の形で株主個人へ還流する」とする点は、事業譲渡における課税の流れであり、株式譲渡の場合は分離課税(税率20.315%)で課税関係が終了するとする記述と異なり誤り。「総合課税で確定申告により精算する」とする点、「常に申告不要の非課税所得として扱われる」とする点も、分離課税(税率20.315%)で課税関係が終了するとする記述に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p118)
問2.基本合意書(LOI、MOU)の法的拘束力に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 正解:原則として法的拘束力を持たないが、譲り受け側の独占的交渉権や秘密保持義務等の条項には法的拘束力を認めることが通常である
- 基本合意書は独占的交渉権や秘密保持義務等の条項を含め、いかなる条項についても法的拘束力を一切持たない、単なる紳士協定にとどまる文書である
- 基本合意書は最終契約と同一の内容を持ち、締結された全ての条項について法的拘束力が生じる
- 基本合意書を締結した時点で、最終契約の締結を待たずにクロージングの効力が確定的に生じる
中小M&Aガイドライン第3版p21は、基本合意書(LOI・MOU)は基本的に法的拘束力がないものの、譲り受け側の独占的交渉権や秘密保持義務等については法的拘束力を認めることが通常であると定める。「いかなる条項にも法的拘束力がない紳士協定にとどまる」とする点は、独占的交渉権や秘密保持義務等には法的拘束力を認める通常の扱いに反し誤り。「最終契約と同一内容ですべて拘束力を持つ」とする点も、基本的に法的拘束力を持たないとする原則に反し誤り。「締結時点でクロージングの効力が確定的に生じる」とする点も、クロージングは最終契約締結後の工程であるため誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p21)
問3.クロージングの説明として、中小M&Aガイドライン第3版の定義に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:M&Aにおける最終契約の決済のことをいい、最終契約締結後に株式・財産の譲渡や譲渡代金の全部又は一部の支払を行う工程
- 基本合意書の締結のことをいい、原則として法的拘束力を伴わない範囲で当事者間の合意内容を確認するにとどまる工程とされる
- デュー・ディリジェンス開始前の段階で、譲り受け候補先が希望条件等の意向を書面で提出する工程
- 最終契約締結前に行う、対象会社の財務・法務・ビジネス・税務等の実態を調査するデュー・ディリジェンスの工程
中小M&Aガイドライン第3版p21は、クロージングを「M&Aにおける最終契約の決済のことをいい…最終契約を締結した後、株式・財産の譲渡や譲渡代金の全部又は一部の支払を行う工程」と定義する。「基本合意書の締結のことをいう」とする点は、基本合意とクロージングを混同しており誤り。「デュー・ディリジェンス開始前の意向表明の工程」とする点も、意向表明書の提出とクロージングを混同しており誤り。「最終契約締結前のデュー・ディリジェンスの工程」とする点も、クロージングが最終契約締結後の決済工程であるとする定義に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p21)
問4.着手金・月額報酬・中間金の性質に関する説明として、中小M&Aガイドライン第3版に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:後に成功報酬が発生した場合には、当該成功報酬に含まれる(成功報酬の内金となる)ものとされることがある
- 後に成功報酬が発生した場合であっても、それとは無関係に別途全額を重ねて請求できるものとされる
- 成功報酬の有無にかかわらず、いかなる場合も返還する必要のない完全な別建ての手数料として扱われるとされる
- 案件が不成立に終わった場合に限り、成功報酬とみなして事後的に別途請求できるものとされている
中小M&Aガイドライン第3版p63は、着手金・月額報酬・中間金について、後に成功報酬が発生した場合には当該成功報酬に含まれる(内金となる)ものとされることがあるとする。「成功報酬とは無関係に別途全額を請求できる」とする点、「いかなる場合も返還不要な別建ての手数料」とする点は、成功報酬発生時にはその内金となることがあるとする記述に反し誤り。「案件不成立の場合に限り成功報酬とみなして請求できる」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p63)
問5.企業価値評価における「コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)」の説明として、最も適切なものはどれか。
- 正解:主に評価対象会社の貸借対照表の純資産に着目して企業価値・事業価値を評価する方法で、代表的な手法として(修正)簿価純資産法や時価純資産法がある
- 将来期待されるキャッシュフローや利益を一定の割引率を用いて現在価値に割り引いて企業価値・事業価値を算定する、インカムアプローチに属する方法である
- 上場している同業他社の株価や類似取引事例等を基準に企業価値・事業価値を推定計算する、マーケットアプローチに属する方法である
- 相続税評価のみを目的として国税庁が定めた通達に基づき算定され、M&Aの譲渡価額算定には一切使用されない方法である
中小M&Aガイドライン第3版p113は、コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)を、主に貸借対照表の純資産に着目して企業価値・事業価値を評価する方法とし、代表的手法として(修正)簿価純資産法・時価純資産法を挙げる。「将来期待されるキャッシュフローや利益を一定の割引率を用いて現在価値に割り引いて企業価値・事業価値を算定する、インカムアプローチに属する方法である」とする点は、貸借対照表の純資産に着目するコストアプローチとは異なるアプローチの説明であり誤り。「上場している同業他社の株価や類似取引事例等を基準に企業価値・事業価値を推定計算する、マーケットアプローチに属する方法である」とする点も、同じく貸借対照表の純資産に着目するコストアプローチとは異なるアプローチの説明であり誤り。「相続税評価のみを目的として国税庁が定めた通達に基づき算定され、M&Aの譲渡価額算定には一切使用されない」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p113)
問6.「財務デュー・ディリジェンス(財務DD)」の目的に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 正解:譲り渡し側の過去の実績の把握、現在の財務状態の調査による財務リスクの特定、将来の事業計画の基礎となる情報の入手を目的とする
- 譲り渡し側の名義株や所在不明株主を洗い出し、株主構成を全面的に書き換えることを唯一の目的とする
- 譲り受け側が今後とるべき資金調達の具体的な手段(自己資金か借入か等)をあらかじめ確定的に決定することのみを目的として実施される
- 最終契約締結後にクロージングの可否を最終判断するためだけに、当該契約締結後に実施されるものである
中小M&Aガイドライン第3版p114は、財務DDの目的を、譲り渡し側の過去実績の把握、現在の財務状態調査による財務リスク特定、将来の事業計画の基礎情報の入手とする。「譲り渡し側の名義株や所在不明株主を洗い出し、株主構成を全面的に書き換えることを唯一の目的とする」とする点は、この記述にない内容であり誤り。「譲り受け側が今後とるべき資金調達の具体的な手段をあらかじめ確定的に決定することのみを目的として実施される」とする点、「最終契約締結後にクロージングの可否を最終判断するためだけに、当該契約締結後に実施される」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p114)
問7.株式譲渡の手法によるM&Aが困難な場合における事業譲渡の位置づけとして、中小M&Aガイドライン第3版に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:所在不明株主の存在や株式の分散等により株式譲渡の手法でM&Aを行うことは困難でも、株主総会特別決議の可決承認が可能な場合には有効な手段である
- 所在不明株主の存在や株式の分散がある場合、株主総会特別決議の可決承認の可否にかかわらず、事業譲渡という手法自体を用いることができないとされる
- 株式譲渡が困難な場合であっても、事業譲渡を用いることは中小M&Aガイドライン上想定されていないとされる
- 株主総会特別決議の可決承認が得られるかどうかは、事業譲渡の手法を選択できるかどうかとは無関係であるとされる
中小M&Aガイドライン第3版p118は、事業譲渡について、所在不明株主の存在や株式の分散等により株式譲渡の手法でM&Aを行うことは困難でも株主総会特別決議の可決承認が可能な場合には有効な手段であることをメリットとして挙げる。「株主総会特別決議の可決承認の可否にかかわらず、事業譲渡という手法自体を用いることができない」とする点、「事業譲渡を用いることは中小M&Aガイドライン上想定されていない」とする点、「株主総会特別決議の可決承認が得られるかどうかは、事業譲渡の手法を選択できるかどうかとは無関係」とする点は、いずれもこの記述に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p118)
問8.「三つの評価アプローチ(コスト・マーケット・インカム)」の一般的な特徴に関する説明として、誤っているものはどれか。
- 正解:「固有の性質の反映」については、コストアプローチが△、マーケットアプローチが○、インカムアプローチが◎とされる
- 「客観性」については、コストアプローチが◎、マーケットアプローチが◎、インカムアプローチが△とされる
- 「市場での取引環境の反映」については、コストアプローチが△、マーケットアプローチが◎、インカムアプローチが○とされる
- 「将来の収益獲得能力の反映」については、コストアプローチが△、マーケットアプローチが○、インカムアプローチが◎とされる
中小M&Aガイドライン第3版p113-114の比較表は「固有の性質の反映」をコストアプローチ○・マーケットアプローチ△・インカムアプローチ◎とする。「固有の性質の反映について、コストアプローチを△・マーケットアプローチを○とする」点は、コストとマーケットの評価を入れ替えており誤りである。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p113-114)
問9.経営者保証の解除を万全に期す場合の、クロージング日における実務対応として、中小M&Aガイドライン第3版に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:クロージング日に、必要に応じて金融機関等の同席の下で、代表者の変更登記の手続と、保証の解除又は移行の手続を同時に実施することが考えられる
- 代表者の変更登記は最終契約締結日に、保証の解除手続はクロージング日の1年後に行うことが原則とされる
- 経営者保証の解除手続は、金融機関の同席なしに当事者間のみで完結させることが原則であるとされる
- 代表者の変更登記の手続と保証の解除・移行の手続は、同一日には実施できないものとされる
中小M&Aガイドライン第3版p52は、経営者保証解除を万全に期す場合、クロージング日に必要に応じ金融機関等の同席のもと代表者変更登記の手続と保証の解除又は移行の手続を同時に実施することが考えられるとする。「代表者の変更登記は最終契約締結日に、保証の解除手続はクロージング日の1年後に行うことが原則」とする点は、クロージング日に両手続を同時に実施することが考えられるとする記述に反し誤り。「経営者保証の解除手続は、金融機関の同席なしに当事者間のみで完結させることが原則」とする点、「代表者の変更登記の手続と保証の解除・移行の手続は、同一日には実施できない」とする点も、この記述に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p52)
問10.最終契約に基づく支払・手続の実施タイミングに関する説明として、中小M&Aガイドライン第3版に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:クロージング時に実行することが基本だが、依頼者の希望等によりクロージング後となることがあり、決済の遅滞や解釈の相違等で当事者間の争いに発展するリスクがあるとされる
- 支払や手続の実施タイミングは常に一律に固定されているものとされており、依頼者の希望の有無にかかわらずクロージング後に行われることは制度上いかなる場合も一切想定されていないとされている
- 実施タイミングがクロージング後になったとしても、決済の遅滞や解釈の相違により当事者間で争いが生じるリスクは生じないものとされている
- 最終契約に基づく支払は、依頼者の希望の有無にかかわらずクロージングが行われる前の段階に完了させることが唯一認められる適法な方法であるとされている
中小M&Aガイドライン第3版p53は、最終契約に基づく支払や手続はクロージング時に実行することが基本だが、依頼者の希望等によりクロージング後のタイミングとなることがあり、いずれも決済の遅滞や最終契約の解釈相違等により当事者間で争いに発展するリスクがあるとする。「支払や手続のタイミングは常に一律固定でクロージング後に行われることは制度上一切想定されない」とする点、「クロージング後になったとしても争いが生じるリスクは生じない」とする点は、この記述に反し誤り。「依頼者の希望にかかわらずクロージング前完了が唯一適法な方法」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p53)
問11.中小M&Aにおける譲渡額の決まり方に関する説明として、中小M&Aガイドライン第3版に照らして最も適切なものはどれか。
- 正解:簿価純資産法・時価純資産法・類似会社比較法等で算定した価値を基に交渉するケースが多いが、算出された金額が必ずそのまま譲渡額となるわけではなく、当事者同士が最終的に合意した金額が譲渡額となる
- バリュエーションで算出された金額は、当事者の交渉の余地なく、法令上そのまま譲渡額として確定するとされる
- 譲渡額は税引後利益や経常利益等の任意の利益を加算することが法令上一切禁止されているものとされている
- 譲渡額の交渉においては、事例ごとの適切な算定方法の違いを一切考慮する必要はないものとされている
中小M&Aガイドライン第3版p44は、簿価純資産法・時価純資産法・類似会社比較法等で算定した価値を基に譲渡額を交渉するケースが多いが、算出された金額が必ずそのまま譲渡額となるわけではなく、当事者同士が最終的に合意した金額が譲渡額となるとする。「バリュエーションで算出された金額は、当事者の交渉の余地なく、法令上そのまま譲渡額として確定するとされる」とする点は、当事者同士が最終的に合意した金額が譲渡額となるとする上記の趣旨に反し誤り。「譲渡額は税引後利益や経常利益等の任意の利益を加算することが法令上一切禁止されているものとされている」とする点も、上記の趣旨に反し誤り。「譲渡額の交渉においては、事例ごとの適切な算定方法の違いを一切考慮する必要はないものとされている」とする点も、上記の趣旨に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p44)
問12.中小M&Aガイドライン第3版が示す「表明保証保険」を購入する場合の手続に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 正解:一般的にはデュー・ディリジェンス(DD)の結果を報告したDDレポート等を保険会社に提出し、引受審査を経る必要があるとされる
- 表明保証保険の購入にあたっては、審査を経ることなく即時に契約が成立するとされている
- 表明保証保険の購入にあたっては、DDレポートの提出は一切不要であり、最終契約書の写しのみを保険会社に提出すればよいとされている
- 表明保証保険の購入審査は譲り受け側にのみ課され、譲り渡し側には一切の手続が課されないとされている
中小M&Aガイドライン第3版p53は、表明保証保険の購入にあたり、一般的にはDDの結果を報告したDDレポート等を保険会社に提出し、引受審査を経る必要があるとする。「表明保証保険の購入にあたっては、審査を経ることなく即時に契約が成立する」とする点は、引受審査を経る必要があるとする記述に反し誤り。「表明保証保険の購入にあたっては、DDレポートの提出は一切不要であり、最終契約書の写しのみを保険会社に提出すればよい」とする点、「表明保証保険の購入審査は譲り受け側にのみ課され、譲り渡し側には一切の手続が課されない」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p53)
問13.中小M&Aガイドライン第3版が示す「M&Aのプロセスごとに提供する主な業務の例」のうち、基本合意の交渉・締結の工程で提供する業務として、どのようなものが挙げられているか。最も適切なものはどれか。
- 正解:「M&Aのプロセスごとに提供する主な業務の例」において、基本合意の交渉・締結の工程で提供する業務として、トップ面談の調整(事前準備〜当日の詳細な段取りのサポートを含む)及び基本合意書の作成支援が挙げられている
- トップ面談の調整や基本合意書の作成支援は、マッチングの工程で提供する業務として挙げられているとされている
- トップ面談の調整には事前準備は含まれず、当日の段取りサポートのみが含まれるとされている
- 基本合意の交渉・締結の工程で提供する業務としてトップ面談の調整や基本合意書の作成支援が挙げられているという説明は誤りであり、実際にはこれらの業務は最終契約の交渉・締結の工程においてのみ提供されるものとされている
中小M&Aガイドライン第3版p89は、基本合意の交渉・締結の工程で提供する業務として、トップ面談の調整(事前準備〜当日の段取りサポート含む)及び基本合意書の作成支援を挙げる。「トップ面談の調整や基本合意書の作成支援はマッチングの工程で提供する業務として挙げられている」とする点は、この記述に反し誤り。「トップ面談の調整には事前準備は含まれず当日の段取りサポートのみが含まれる」とする点も、事前準備〜当日の詳細な段取りのサポートを含むとする記述に反し誤り。「これらの業務は最終契約の交渉・締結の工程においてのみ提供される」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p89)
問14.中小M&Aガイドライン第3版は、デュー・ディリジェンス(DD)の実施主体と仲介者・FAの役割について、どのように述べているか。最も適切なものはどれか。
- 正解:デュー・ディリジェンス(DD)は主に譲り受け側により実施され、その際、譲り受け側は譲り渡し側に対して大量の資料を要求することが一般的であるため、仲介者・FAは譲り渡し側に対し当該資料の準備を促し、サポートすることが必要である
- DDは主に譲り渡し側により実施され、譲り受け側が資料を要求されることが一般的であるとされている
- 仲介者・FAは、譲り渡し側の資料準備を促す必要はなく、資料要求への対応は譲り渡し側の自己責任に委ねられているとされている
- デュー・ディリジェンス(DD)は主に譲り受け側により実施されるものであるとしても、譲り渡し側に対する資料要求が生じることは一般的ではなく、仲介者・FAが譲り渡し側に対し資料準備を促しサポートする必要性も特に想定されていないとされている
中小M&Aガイドライン第3版p95は、DDは主に譲り受け側により実施され、譲り受け側は譲り渡し側へ大量の資料を要求することが一般的であるため、仲介者・FAは譲り渡し側の資料準備を促しサポートすることが必要とする。「DDは主に譲り渡し側により実施され譲り受け側が資料を要求されることが一般的」とする点は、この記述と逆であり誤り。「仲介者・FAは譲り渡し側の資料準備を促す必要はなく資料要求への対応は譲り渡し側の自己責任」とする点、「資料要求が生じることは一般的でなくサポートする必要性も想定されない」とする点も、この記述に反し誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p95)
問15.中小M&Aガイドライン第3版は、債務超過企業の中小M&A支援に伴う債務整理手続に携わる公認会計士の役割について、どのように述べているか。最も適切なものはどれか。
- 正解:債務超過企業の中小M&A支援に伴う債務整理手続に携わる公認会計士は、時機を逸しないよう早期の支援が重要であることから、弁護士等と連携しながら、信頼性のある財務書類等の作成により手続の円滑な進行に貢献することが期待される
- 債務整理手続に携わる公認会計士は、早期の支援よりも手続完了後の事後対応を重視すべきであるとされている
- 債務超過企業の中小M&A支援に伴う債務整理手続に携わる公認会計士について、時機を逸しないよう早期に支援することの重要性や弁護士等との連携、信頼性のある財務書類等の作成による手続の円滑な進行への貢献は、いずれも本ガイドライン上特に期待されていないとされている
- 財務書類の作成は弁護士のみが行うべきであり、公認会計士が関与することは想定されていないとされている
中小M&Aガイドライン第3版p115は、債務超過企業の中小M&A支援に伴う債務整理手続に携わる公認会計士は、時機を逸しないよう早期の支援が重要であり、弁護士等と連携し信頼性のある財務書類等の作成により手続の円滑な進行に貢献することが期待されるとする。「早期の支援よりも手続完了後の事後対応を重視すべき」とする点は、この記述に反し誤り。「早期支援の重要性・弁護士等との連携・手続の円滑な進行への貢献はいずれも本ガイドライン上特に期待されていない」とする点、「財務書類の作成は弁護士のみが行うべきで公認会計士の関与は想定されない」とする点も、この記述にない内容であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p115)
問16.中小M&Aガイドライン第3版が示す、債務超過企業が事業譲渡等を実行する際に対価が不当に低額であった場合のリスクに関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 正解:事業譲渡等の対価が不当に低額であり適正な対価が譲り渡し側に支払われないケースでは、債権者(特に金融機関)から詐害行為取消権(民法第424条)を、監督委員等から否認権(民事再生法第127条等)を行使される等のリスクがある
- 事業譲渡等の対価の水準にかかわらず、詐害行為取消権や否認権が行使されるリスクは生じないとされている
- 詐害行為取消権は監督委員等のみが行使できる権利であり、債権者は行使できないとされている
- 否認権は債権者である金融機関のみが行使できる権利であり、監督委員等は行使できないとされている
中小M&Aガイドライン第3版p128は、事業譲渡等の対価が不当に低額で適正な対価が譲り渡し側へ支払われないケースでは、債権者(特に金融機関)から詐害行為取消権(民法第424条)、監督委員等から否認権(民事再生法第127条等)を行使されるリスクがあるとする。「事業譲渡等の対価の水準にかかわらず、詐害行為取消権や否認権が行使されるリスクは生じない」とする点は、対価が不当に低額な場合にこれらの権利を行使されるリスクがあるとする記述に反し誤り。「詐害行為取消権は監督委員等のみが行使できる権利であり、債権者は行使できない」とする点は、債権者(特に金融機関)が詐害行為取消権を行使するとする記述と逆であり誤り。「否認権は債権者である金融機関のみが行使できる権利であり、監督委員等は行使できない」とする点も、監督委員等が否認権を行使するとする記述と逆であり誤り。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)(p128)
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