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M&A専門業者に免許は必要?行動指針が求められる理由【非公式】

更新日:2026-09-12

本アプリ「中小M&A資格試験 対策」は運営団体非公式の対策アプリです。本記事は公式の過去問ではなく、中小企業庁が公表する「中小M&Aガイドライン」「中小PMIガイドライン」「専門人材スキルマップ」等に基づき作成した非公式の解説であり、教育・学習目的で提供しています。試験の実施団体とは一切関係ありません。

M&A専門業者への依頼を検討する際、「そもそもこの業者に依頼して大丈夫なのか」という不安を持つ方は少なくありません。本記事は、M&A専門業者の法的な位置づけと、業界として行動指針の策定が求められている理由を、中小M&Aガイドライン第3版の記載に基づいて解説します。

当サイトは中小M&A資格試験の対策アプリの提供者であり、M&A専門業者や支援機関そのものではありません。個別の相談先の選定や依頼の可否については、必ず複数の支援機関の話を聞いた上でご判断ください。

M&A専門業者に免許・資格は必要か

中小M&Aガイドライン第3版は、M&A専門業者を、中小企業のM&Aにおける仲介やFAとしての業務を担い、その実現を後押しする存在として位置づけています。一方で、士業等専門家については法令上、資格要件や業務内容、善管注意義務、刑罰等が明確にされています。これに対しM&A専門業者は、そうした許可や免許を取得する枠組みの対象にはなっておらず、業界横断で定められた共通の法的なルールも第3版の記載時点では設けられていないとされています。

「業界全体における一般的な法規制も存在していない(例えば、不動産取引においては、宅地建物取引業法の規制が存在するが、M&A専門業者についてこのような法規制は存在していない。)」(p79)とされているとおり、不動産取引の宅地建物取引業法のような業法規制は、M&A専門業者には存在しません。

免許制がなくても課される契約上の義務

免許制・許可制が採用されていないからといって、M&A専門業者が何ら義務を負わないわけではありません。中小M&Aガイドライン第3版は、M&A専門業者について、契約の相手方に対して払うべき注意を尽くす義務(善管注意義務)と、自分や身内の得のために顧客の利益を損なってはならない義務(忠実義務)を、依頼者との契約に基づき負うとしています。契約で定められた事柄にとどまらず、職業人としての倫理を守ることも合わせて求められるとされています。

こうした義務が課される背景として、M&A専門業者が取り扱う業務の専門性が高いこと、M&A専門業者と依頼者との間でM&Aに関する知識や情報、相手方候補先の情報等がM&A専門業者側に偏在していること(情報の非対称性)、仲介業務では譲り渡し側・譲り受け側の双方から依頼を受けるという性質上、利益相反が構造的に生じやすいことが挙げられています。

なぜ行動指針の策定が必要とされているのか

M&A専門業者による支援では、マッチングの実務や交渉の調整力に加え、財務・税務・法務といった専門知識が求められる場面が少なくありません。中小M&Aガイドライン第3版は、「支援経験や知見の乏しいM&A専門業者の場合には、善管注意義務の履行等の観点から、適切に業務を進められないおそれがあると言える。」(p80)と指摘しています。また、「実態としてM&A専門業者の経済的利益とM&Aの成立が強く結びついていることもあり、場合によってはM&A専門業者にとってM&Aの成立が目的化してしまい、必ずしも依頼者の真の利益の確保につながらないような形での成約が目指されるおそれがあるという指摘もある。」(p80)とも述べられています。中小M&A市場の拡大にあわせてM&A専門業者への新規の参入も増えており、支援の実務経験が十分でない担い手が携わる例もあると指摘されています。

こうした状況を踏まえ、中小M&Aガイドライン第3版は、業者ごとの自主的な取り組みに任せきりにせず、市場全体の透明性と公正さを保つための共通の指針が必要だとしています。

支援の質を確保するための取組(概要)

中小M&Aガイドライン第3版は、M&A専門業者に対し、支援の質の確保・向上に向けた取組として、経営トップが知識・能力の向上と適正な業務遂行の重要性を社内外へ発信すること、他の支援機関(特に士業等専門家)と積極的に連携すること、役員・従業員の知識・能力の向上を図ること、役員・従業員や外部委託先が適正な業務を遂行できる体制を整備することなどを挙げています。これらの取組を公表する等し、依頼者に伝えることが望ましいともされています。

業界としての自主規制の広がり

中小M&Aガイドライン第3版によれば、令和3年10月、M&A仲介等に係る自主規制団体として一般社団法人M&A仲介協会が設立されました。その後、令和5年12月、同協会により自主規制ルールとして「倫理規程」「コンプライアンス規程」「広告・営業規程」「契約重要事項説明規程」が策定・公表されたとされています。こうしたルールの遵守・浸透や必要に応じた見直しにより、個々の支援機関の支援の質の向上が図られることが期待されるとしています。

まとめ

M&A専門業者には、不動産取引の宅地建物取引業法のような業法上の免許制・許可制は存在しませんが、契約に基づく善管注意義務(忠実義務を含む)や職業倫理の遵守が求められるとされています。情報の非対称性や利益相反リスクといった構造的な事情から、業界としての行動指針の策定や自主規制の整備が進められています。

当サイトの対策アプリでは、こうした支援機関の倫理・行動規範に関する演習問題も、解説付きで出題しています。

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よくある質問

免許がないなら誰でもM&A専門業者になれるのですか?

許可制・免許制等の法規制は存在しないとされていますが、依頼者との契約に基づく善管注意義務(忠実義務を含む)や職業倫理の遵守が求められるとされています。

なぜM&A専門業者に行動指針が必要なのですか?

情報の非対称性や、仲介業務における構造的な利益相反のリスクがあること、支援経験の乏しい新規参入者が増加していることなどが背景として挙げられています。

業界の自主規制にはどのようなものがありますか?

一般社団法人M&A仲介協会が、自主規制ルールとして「倫理規程」「コンプライアンス規程」「広告・営業規程」「契約重要事項説明規程」を策定・公表しているとされています。

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