中小M&Aの頻出テーマ解説(バリュエーション・DD・PMI・事業承継)【非公式】
更新日:2026-07-16
本アプリ「中小M&A資格試験 対策」は運営団体非公式の対策アプリです。本記事は公式の過去問ではなく、中小企業庁が公表する「中小M&Aガイドライン」「中小PMIガイドライン」「専門人材スキルマップ」等に基づき作成した非公式の解説であり、教育・学習目的で提供しています。試験の実施団体とは一切関係ありません。
中小M&A資格試験の対策で頻出するテーマ(バリュエーション・デュー・ディリジェンス・PMI・事業承継関連施策)を、中小企業庁の公式資料の記載に基づいて非公式に解説します。
用語の定義は、原則として一次資料の記載に沿って紹介しています。試験の出題形式・配点等は本記事作成時点で公表されていません。
バリュエーション(企業価値評価)の3アプローチ
コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)は、主に評価対象会社の貸借対照表の純資産に着目して企業価値・事業価値を評価する方法です。代表的な手法として、(修正)簿価純資産法、時価純資産法があります。
マーケットアプローチは、上場している同業他社や類似取引事例等から企業価値・事業価値を推定計算する方法です。代表的な手法として、市場株価法とマルチプル法(類似上場企業の株価等をベースに調整して評価する方法)があります。
インカムアプローチは、将来期待されるキャッシュフローや利益から企業価値・事業価値を算定する方法です。代表的な手法として、DCF法(期待キャッシュフローを現在価値に割り引く方法)と収益還元法(期待収益を現在価値に割り引く方法)があります。
デュー・ディリジェンス(DD)の主な種類
財務DDは、M&Aに際して譲り渡し側の事業実態を調査し、内包するリスク要因を把握することを目的とします。過去の実績把握、現在の財務状態の調査による財務リスクの特定、将来の事業計画の基礎となる情報の入手が主な目的です。
法務DDは、対象企業の抱える法的なリスク等について、主に譲り受け側が必要に応じて行う調査です。株式譲渡の手法を選択する場合には、譲り渡し側の法的リスクをそのまま引き継ぎやすいため、全般的かつ網羅的な法務DDを行うことが多いとされています。
ビジネス(事業)DDは、譲り渡し側の商流や収益構造といったビジネスモデルを整理し、市場における競争力を分析し、事業の将来性やシナジーの検討等を行うことを目的とします。
税務DDは、対象会社の企業価値に影響する潜在的な税務リスク(例えば過去の申告内容の誤りによる追徴課税等)の把握等の観点から必要に応じて行われます。
PMI(クロージング後の統合作業)の3領域
PMI(Post Merger Integration)は、主にM&A成立後に行われる統合作業であり、M&Aの目的を実現させ、統合の効果を最大化するために必要なものとされています。M&Aの「成功」はその成立ではなく、当初期待された効果を実現できるかどうかによるとされ、PMIはM&Aの成立前から準備する必要があるとされています。
PMIの取組は「経営統合」「信頼関係構築」「業務統合」の3つの領域に分類されます。経営統合は、異なる経営方針のもと経営されていた2社の経営の方向性・経営体制・仕組み等の統合を目指す取組です。
信頼関係構築は、組織・文化の融合に向けて実施するべき取組であり、経営ビジョンの浸透、従業員の相互理解、取引先との関係構築等を目指します。業務統合は、事業(開発・製造、調達・物流、営業・販売)や管理・制度(人事、会計・財務、法務)に関する統合を目指す取組です。
事業承継関連施策
「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」は、事業承継時に先代経営者及び後継者の双方から二重に保証を求めること(二重徴求)を原則として禁止するものです。
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小M&A及び従業員承継、親族内承継を含む中小企業の事業承継に関する相談に幅広く対応する、国が設置する公的相談窓口です。「後継者人材バンク」事業は、同センターが実施する、後継者不在の小規模事業者(主として個人事業主)と創業希望者とのマッチング支援等を行う事業です。
事業承継・引継ぎ補助金は、M&Aによる事業承継やその他の方法による事業承継に伴う経費の一部を補助する制度です。
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よくある質問
バリュエーションの3アプローチはどう使い分けますか?
中小M&Aでは複数の手法により算定した結果を比較検討するケースもあるとされており、単独の絶対基準があるわけではありません。詳しくは公式資料をご確認ください。
DDは必ず4種類すべて実施しますか?
案件の状況や依頼者の判断により、実施するDDの種類・範囲は異なります。すべての案件で4種類が一律に実施されるとは限りません。
PMIはM&A成立後から準備すればよいですか?
いいえ。PMIはM&Aの目的の明確化や譲受側の現状把握等を含め、M&Aの成立前から準備する必要があるとされています。
事業承継関連施策はどの程度出題されますか?
公式に確認できている配点情報はありません。当サイトでは税務の一部という位置づけで、他の3分野より低めの比重で設計しています(当サイト独自の設計です)。
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- 中小M&Aガイドライン(第3版)(バリュエーション(三つの評価アプローチ・p113))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(財務DD(p113))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(法務DD(p122-123))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(ビジネス(事業)DD(p122-123))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(税務DD(p118-119))
- 中小PMIガイドライン(PMIとは/PMIの取組領域(p10))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p23(経営者保証の二重徴求・特則))
- 中小M&Aガイドライン(第3版)(p25(事業承継・引継ぎ支援センター・後継者人材バンク))
- 事業承継・引継ぎ補助金(制度の概要)